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2007年11月29日 (木)

原田知世の歌

原田知世さんというとデビュー映画「時をかける少女」があまりに有名で(最近はアニメ版のほうが有名か?)、ずっとあのイメ−ジをもたれている女優さん、という印象だと思う。それか「私をスキーに連れてって」ですっげー可愛かったなぁーとか。

しかし、彼女はデビュー以後、ずっと地道に音楽を真面目にやってきたシンガーでもあるのです。けっして女優の片手間で主題歌歌ってます、的なものではなく、自分の理想を求めて。それを証明してみせたのが、ヒット曲「ロマンス」でしょう。

Free
アルバム「I could be free」(1997)

このアルバムには「ロマンス」をはじめたくさんの素晴らしい楽曲が詰め込まれています。

プロデュースはスエディッシュポップのトーレ・ヨハンソン。カーディガンズのプロデュ−スで一躍世界的に有名になった方です。彼女は、カーディガンズを聴くなり「これがやりたかった!」といってすぐさまプロデュースをお願いしたとか。


前作のアルバム「クローバー」(1996)ではトーレ・ヨハンソンと、それまで彼女を音楽面でサポートしてきた鈴木慶一氏とのダブルプロデュ−スという2面性を持ったアルバムになりました。カラフルな作品ですが、個人的にはまとまりが無く、曲も今一歩という感じ。それでも「Metro」や「 100 LOVE-LETTERS」「戸棚の虹」みたいないい曲もあり、最大の聞き所は彼女の作詞作曲による「裸足のマリア」です。ちょっと聴くと80年代に活躍したガールズポップのアングラ(失礼)バンド「ゼルダ」の世界のようなオリエンタル風な?メロディー。さすがにトーレ・ヨハンソンと鈴木慶一氏とまったく世界が違いすぎる気がするアルバム。

そしてこの「I could be free」ではいよいよ鈴木慶一氏の手を離れ、トーレ・ヨハンソン単独のプロデュース(作詞は全曲原田知世、作曲はトーレ・ヨハンソンとウルフトレッソン)。もうトーレ・ヨハンソンの「タンバリンスタジオ」の世界がひろがっています。

トーレ・ヨハンソンのサウンドは、一言で言うと「原点回帰」かと。80年代以降の質の悪いデジタルサウンドに飽き飽きしていたところに、レニー・クラビッツを始めとする「原点回帰」路線が出てきたところでしたが、それと通じるものがあると思います。生の楽器の良さ、生の演奏を生かすサウンド。メロディーは全体にふわりとやさしく、マッタリというか。そしてオシャレ。

一曲目の「愛のロケット」からもうやられまくり。ハツラツとしたサウンドに不思議な彼女のやさしい声がからむ。タイトル曲「I could be free」も秀逸なメロディーが心地良い。軽快なヒット曲「ロマンス」もまるで自然の豊かな街をサイクリングでもしてそうな爽快感。「Are you happy ?」「PARADE」もすごくいい。

原田知世さんは、とても不思議な女性で、メチャクチャ演技が上手いとか、歌唱力が凄いとか、誰もかなわない色気があるとか、そういうタレントさんではなく、むしろそういうものとは無縁の、無色透明というか、自分にはそういう孤高なイメージ。確実に自分の世界を持っている。このアルバムもその彼女の良さが充分に生かされてるように思う。その独特な歌声も、彼女の書く歌詞もまさにそんな感じを受けます。変に愛だの恋だのとベタベタした世界にならず、同性の共感を得ようなんてこれっぽっちも考えてない(というと語弊がありそうですが)。楽しい曲も切ない曲も、みんな不思議な空気に包まれてるよう。


続いて「クローバー」と「I could be free」というそのトーレ・ヨハンソンとの世界をひとつにまとめたミニ・ベスト・アルバム「Flowers」発売(1997)
Flowers

エルザ・ランギーニのカバー「T'EN VA PAS 」のタンバリンスタジオ・ミックスヴァージョン、そしてドラマの主題歌にもなりヒットした名曲「シンシア」を収録した必聴盤。特に「シンシア」は彼女の世界がわかる傑作。ベストだけあって、このアルバムのほうが入りやすいかもしれません。


その後もヒット曲「七色の楽園」「恋をしよう」を収録した「Blue Orange 」(1998)を発表。
Blueorange

「I could be free」に負けないくらいのいい曲が詰まってると思うのだが・・・個人的には「I could be free」一発でやりきっちゃった感があり、ちょっとそこまでの思い入れがないのですが。


なお、このアルバム発表後、このときのレコーディング・メンバーをバックに集大成のライブを99年に行っていますが、私は出張中で見ることができませんでした >< いやしかし見たかったなぁ・・・

このときの貴重なライブの様子が映像で残っていますが、まだ入手できるんでしょうか。
Tomoyolive
DVD「TOMOYO HARADA LIVE Blue Orange Tour」


そして彼女はトーレ・ヨハンソンの世界を離れ、自分の世界を模索します。もっと評価されていいのではないかと思う「ミュージシャン」です。

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