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2010年7月 4日 (日)

Lou reed - Live In Italy と Robert Quine

「もし無人島に一枚だけCDを持って行けるとしたら」というありがちな問いに、Rolling Stonesの「Exile on Main Street」と並んで私の候補にあがるマイ・フェイバリット・ライブアルバム。


Lou reed - Live In Italy
Louliveitaly


ルー・リードといえば、元祖ラッパーw 
いや、60年代に伝説的ーー伝説という言葉がこれ以上あてはまるバンドは世界中どこにもないーーなバンド「Velvet Underground」のボーカル&ギター、ソングライティングで中心メンバーだったことで有名ですが、そちらの話はまたの機会に。

なお、私は「Velvet Underground」がありかなしかでその人と話が合うか、わかってるかどうか決める人ですw


そのVelvet Underground脱退後のルーは、グラムロックをやってみたり、「Berlin」という名盤を作ってみたり、90年以降も「ニューヨークの詩人」と呼ばれる超大物なわけですが、今回紹介する「Live in Italy」はルーが最もロックンローラーだった頃の80年代前半の傑作ライブ・アルバムです。

バンドは、ファンの間で「ルー史上最強」とも言われることも多いメンバー。



曲目リスト
1. Sweet Jane
2. Im Waiting For The Man
3. Martial Law
4. Satellite Of Love
5. Kill Your Sons
6. Betrayed
7. Sally Cant Dance
8. Waves Of Fear
9. Average Guy
10. White Light/White Heat
11. Some Kinda Love/Sister Ray
12. Walk On The Wild Side
13. Heroin
14. Rock And Roll


70年代にはギターを手にすることがなかったこともあったルーですが、この時代はVelvet時代のようにガンガンと弾きまくっており、彼独特、いわゆるヘタうまなギターなんですが、ギターソロでは熱いフィードバックの多用、そして鬼のようなリズムカッティングから生まれるグルーヴが持ち味。(ソロパート部分やハイライトでメロディーで弾かず、時には十分以上も延々とコードカッティングを繰り返す)

ドラムがニューヨークのセッションドラマーのフレッド・メイハー。パワフルとか手数が多いとかじゃなくて、タイトでノリのいい職人プレイ。

ベースがフレットレスベースの達人で ジェフ・ベックとの共演もあるフェルナンド・サンダース。リズミック&メロディアスなフレーズが特徴で、ルーはこのスタイルを好んでおり、名盤「NewYork」でもアップライトベーシストを採用してたりもします。彼とは2000年以降、今でもいっしょに活動しているようですね。

で、このバンド・サウンドの要がギターの故ロバート・クワイン(※)。残念ながら2004年にお亡くなりになってしまいましたが、彼の誰にも真似できないオンリーワンなプレイが最高で、このライブでは彼の生涯のベストワンと思える名プレイを残しています。

(※ロバート・クインとも書かれるし当初は自分もそう読んでたが、正しい発音や表記はよくわわからない。ちなみにフレッド・メイハーも以前はフレッド・マーとかマハーと表記されていたことがあったと思う。)


ロバート・クワインは、70年代ニューヨーク・パンクの元祖リチャード・ヘル&ボイドイス(セックスピストルズのモチーフになったと言われるバンド)のギタリストで、言葉は悪いですが、なぜパンクバンドにハゲのオッサンが混ざってる?と、初めてアルバムジャケットを見たときに思いましたw

ロバート・クワインはVelvet Undergroundの追っかけマニアだったそうで、彼がこっそり録音していた当時のライブ音源が後に公式ブートレグとして発売されたこともあります。なのでルーとの共演は夢のようだったのではないでしょうか。後に、彼の性格がルーとおりあわず共演は長くは続かなかったことがファンとしても残念なのですが、彼のギタースタイルがルーにまたギターを以前のようにガンガン弾かせるきっかけになったのではないかと勝手に思っています。

彼のプレイは「痙攣する」「ひきつるような」と表現されることが多い独特のもので、他に同様に弾ける人は世界中どこにもいません。ドロップDにチューニングを変えたフェンダー・ストラトを愛用していましたが、それはアームがついてるからで、実はテレキャスの音が好きだったらしい(後にはテレをメインとしてたそうだ)。あとエフェクターではエレクトロハーモニクスのデラックスメモリーマンでエコーを掛けたりピッチを揺らすのが好きだったようですね(自分にはかかせない「ひとつの楽器といえるエフェクターだ」とコメントしている)。

ユニークなプレイの印象が強いクワイン先生ですが、彼が目指していたものは「聞いた人の心に残る美しいメロディだ」とインタビューでも語っており、その歪んだヒステリックなサウンドは、ときには暴力的なまでに激しく、ときには叙情的に、ときには感動的に美しい。

で、このCDではその信念が存分に現れたライブ演奏が堪能できます。


バンドはこれまでに「Blue Mask」「Legendary Herats」の2作を出していますが(「Blue Mask」のドラムはメイハーではない)、スタジオライブ形式で録音したそうで、「Blue Mask」などは事前にアレンジの打ち合わせもなくアコギで作ったルーのデモを聴いただけでリハ無し、ほぼ一発で決まったそうです。



収録曲はその2枚のアルバムから数曲とルーのそれまでも代表曲で構成されていて、申し分無し。

1曲目「Sweet Jane」は当時のルーにはかかせないVelvet時代の超名曲。誰でもわかるおなじみのリフで構成されていますが、サビの部分にも同じコード進行が適用された珍しいアレンジ。

2曲目、3曲目はロバート・クワインの緊張感のある鋭いギターが冴える。

4曲目 ルーの代表曲「Satellite Of Love」ではロバート・クワイン一世一代の超名演が聴ける。オリジナルよりもスローなテンポにアレンジされていますが、ここでのギターソロはまさに彼しかできないプレイが絶品。独特なフレーズが官能的かつ美しいメロディの中間ソロ、曲のラストでは激しく盛り上げていく絶頂感が素晴らしい。
いや素晴らし過ぎるヽ(;▽;)ノ

何度聞いてもここで震えがきてしまい、うっかり入り込んでしまうとすぐに目がウルウルして、熱くこみ上げてくるものがあるのです。
( ;∀;)

同様に8曲目の「Waves of Fear」も4曲目と並ぶ名演で、彼にしか弾けない独特のプレイ。ギターでこれほどまでに恐れや激高する怒りの感情を表現できる人は少ないでしょう。誰よりも速弾きができるとか、テクニカルなフレーズとかそんなレベルではい。激しく暴力的でありながらその歪がなぜか切なく美しい・・・

11曲目のメドレー、13曲目などのVelvet時代の名曲でも合わせて23分超になるのですが、ロバート・クワインに対抗してルーもおもいっきりギターを弾きまくっており、スリリングなギターバトルは圧巻。あきることなく一気に盛り上がる。

12曲目「Walk and Wild Side」はルーの最も有名な代表曲。やはりアダルトな雰囲気のオリジナルに比べると「ノッてる」感じが現れてますね。

締めの曲「Rock'n'Roll」もVelvet時代のストレートな名曲。ルーの激しく熱いギターソロが聴ける。


私としては、よくぞこのアルバムを残してくれました!と感謝の一枚。




このツアーでは地元のテレビが入っていたらしく、また大きな会場にたくさんの観客が詰め掛けていてメンバー全員のテンションがやたらと高いのが印象的w こういうときに名演というのは生まれるのでしょうね。テレビの映像は海賊盤で出回っていますが、残念ながら画質がいいものは見たことがありません。


このメンバーでの動画は、公式には「ナイト・ウィズ・ルー・リード」というDVDで、ニューヨークのボトムラインという有名なライブハウスでの83年の映像が残っています。かなりリラックスした様子でたんたんと演奏されており、「Live in Italy」とはノリがぜんぜん違います。ルーがギターソロでおもむろにアンプのゲインをあげ、神経質そうにフィードバックやベンドを繰り返すのが印象的。 また「Rock'n'Roll」で観客のおじさんがリズムに超ノリノリなのが微笑ましいw で、楽屋の感じもクールだねえ。


Lou Reed, Robert Quine-Guitar / Fernando Saunders-Vocals,Bass / Fred Maher-Drums
Lounight



この映像で注目なのは、使われてる機材で、ギターが二人ともFenderではなく、フェルナンデスという日本製の安いコピーモデルということw アンプもPeavyのバンディットというソリッドステートの小型アンプ(クワイン先生はスピーカーはEVに交換していたらしい)。それであのようなサウンドを生み出せるのは、今ではジャパンヴィンテージと呼ばれる当時の日本製コピーの品質以上に、最終的に「音楽、音の善し悪しは機材の良し悪しで決まるものではない」ということか。また、ドラムのシェルのないレモ・ロートタムも今では珍しいかもね。

Lou Reed - Walk on the wild side - 80's

オリジナルはアダルトムード漂う名曲ですが、ここではわりと軽快なアレンジ。サンダースのフレットレスベースが印象的。


Lou Reed Satellite Of Love (Live 1983)
クワインの唯一無二のギターソロが堪能できる名演


なお、アルバム「New Sensations」発表後の84年のLive In Jerseyというビデオがあり、ここではドラムがメイハーではない別のドラマーにチェンジしているのですが、これが単調でつまらないドラムなんですよ。フレッド・メイハーでないとこんなにつまらなくなってしまうのかという、ドラムの重要性がわかるビデオでしたw ※DVD化はされてないようです。


Lou Reed ~ Waves of Fear(「Blue Mask」より スタジオライブ形式で録音)

歪んだベースのイントロがかっこいいw Rチャンネルの図太く力強いバッキングがルー、対象的にLチャンネルのユラユラとした不安定な感情を表すかのようなリフがクワイン先生。掻きむしるようなギターがむき出しの感情の叫びのように胸に突き刺さる。

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